[TIPS]イジワルテスト LAP+は真実をどの程度見抜ける?

とあるイベントでの事。
「373くん。ロガーの中に2名乗車の時と1名乗車の時、それぞれのデータがあるから制動にどのように影響しているか、確認してよ!」

イベント内では分析の時間を取ることが出来ず、持ち帰ってからの宿題とさせていただきました。

翌日、データを見ても。まともに比較可能なデータが全く存在しません・・。
1名乗車のデータは2名乗車よりも1分未満のコースで3秒近くも遅いのです!?

ラップタイムの遅いデータの方が車両特性が良いという結論を導き出さなくてはならない。
多くの方は、有意差をどのように示すべきか。頭を抱えてしまう事と思います。

ですが、LAP+なら特性の善し悪しを分析することが出来ます。

詳細は続きからどうぞ

頂いたデータは、1人で運転していたときと2名乗車の時で、アクセルの踏み切り方。ブレーキの精度。コーナリングの精度が全く異なり。加減速は全く比較になりませんでした(驚)
(1名乗車の方が加速もブレーキも弱いようにすら、見えてしまう・・)

そんな回答を差し上げてはロガー屋の名折れ。他に何か有意差が無いか、調べることにしました。

解析に使用するベースは、そう、LAP+Analyzer Web extensionです。
先の図は、LAP+Analyzer Web extensionにて解析を行った際に出てくる散布図中の真ん中。横軸に旋回半径。縦軸に遠心力(GY)をプロットし、最小二乗法により求めた式によって特性を簡易的に示した物です。

左:2名乗車(ベストより1秒落ち。10時枠)
中:1名乗車(ベストより3秒落ち。14時枠)
右:2名乗車(ベストタイム。15時枠)

これらの近似式を元にExcelで評価対象となる旋回半径をピックアップし、値を再計算すると次のようになりました。

つまり、車両の旋回性能のうち、10R~20Rまでについては「10時枠>14時枠>>15時枠」と、10時枠が最も優秀という結果だったのです。

依頼された時に伺った条件と得られた結果にあまりに違いを感じた為、もう少し詳しく条件を確認すると、実は頂いたデータは次の通りでした。
左:ドライバAで2名乗車(指導目的の為、30Rは抑えた。セッティングは良かった)
中:ドライバBで1名乗車(↑と同じセッティング。)
右:ドライバAで2名乗車(ベストタイム。攻めきった。セッティングは悪かった。)

えぇ~~。評価依頼が制動性能、加速性能にもかかわらず。これらに差が生まれる条件ではドライバーさんの技量が全く異なるのですか!? それでは依頼対象の評価が正しく出来なくて当然です。マイリマシタ。

同時に、各旋回半径毎の旋回性能差がタイム差に影響を受けることなく、これほど整合性のとれた形で現れたのは驚くべき事だと思います。

さて、この様な評価に長けた方であれば、最小二乗法による直線近似では、手を抜いた30Rの影響が、他の旋回半径側にも悪影響を与える事はすぐにわかることと思います。

この様な、ミス、手抜き(?)による影響をフィルタする為には、残念ながらフリーソフトの範疇では対応が出来ません。その場合は、LAP+spec.SにてグラフデータをExcelファイルに出力し、希望の条件によりフィルタ・層別することで悪影響を除去した旋回性能グラフを作成することが出来ます。

この様な旋回性能グラフは、ラップタイム差が旋回性能グラフに与える影響を最小限にすることが出来ますので、サーキットやジムカーナなどでの車両セットアップに力を発揮することになると思います。

現時点では、どのような集計項目が効果的なのかを判断する段階ですが、ある程度まとまった段階でLAP+spec.S を対象として「ロガーを挿すだけで表示される旋回性能グラフ」という物を提供させていただきたいと考えております

丁度、エンジンにおけるシャーシダイナモと同じような形で。
最小限のパソコン操作で旋回性能をグラフ化するツール。という事になります。

現場で、解析担当者がいない状況ではロガーを活用しようにも、セットアップに活用できないのが現実です。
金曜や土曜日の公開練習が終わった後に、データを分析しては、気づきが遅れるかもしれませんし。分析そのものに手間がかかっていては分析をやらなくなってしまうかもしれませんからね!

サクサクと開発が進めば、全日本ジムカーナIOXでプロトタイプをお見せできる・・かも?