何Hzが必要なのか?

汎用のGPSにおいて、位置の分解能は約19cm程度となります。
これは、GPSの波長に基づく限界値で、この限界を超えようとすると特殊なGPS(RTK-GPS等)が必要になり価格も大幅に跳ね上がります。(GPSモジュールのみで数十万。用途により携帯などの通信設備も必要な場合もあるとの事)

さて、この約19cmという限界。これは、何Hzでこの限界を超える事になるのでしょうか?

実際にはあり得ないのですが、単純化の為に、2G、-2G、2G・・として矩形波状の加速度を与え、左右にスラロームを行っている状況を仮定してみます。右の頂点から左の頂点までにかかる時間は0.5周期。最大振幅からスラロームの中心軸を交差する運動は、速度0から1/4周期ぶんだけ等加速度運動を行ったと見る事が出来ます。(矩形派状の加速度という仮定により)

つまり、速度0から等加速度運動を行い、8.5cm移動した時の所要時間を4倍し、逆数をとったものが限界となるサンプリングレートという事ができるのではないでしょうか。

通常、どなたでも体験出来る横Gの最大は、レーシングカートの約2Gとなります。
初速度0、加速度2G、変位8.5cmという条件で解の公式を適用すると、所要時間は約0.09秒。
1周期の時間は、約0.37秒となり、この時の周波数は2.68Hzとなります。

また、今度は、GPSチップ(MTK3329)の限界加速度である4Gで計算してみますと、所要時間は約0.06秒。周波数は約3.8Hzとなります。

素早い操作を再現するのに、より早いサンプリングレートが必要だと考えられている方も多いと思います。ですが、19cmより細かい変位を見分ける事が出来ない通常のGPSでは、4Hzより早いサンプリングレートは意味を持たないと、言う事が出来るのではないでしょうか?

さらに付け加えますと、人間の入力に対して車両の応答は、1~1.5Hzより早くなると急激に鈍くなります。(ドライバーが操作しても車が反応しない) 標本化定理から考えても、理論上、倍の3Hzがあれば良く、この面から見ても5Hzもあれば十分と言う事が出来ます。

5Hzより上は、RTK-GPSの領域であり、通常のGPSでは疑問を感じてしまいます。
また、Photomate887を単純に10Hz設定を行うと、更新が追いつかない事が理由と考えられるような、ゆがみが発生する事があり、お勧めできません。このゆがみは中間値ではなく、一つまえの値が入る為、軌跡が不自然にゆがむ事になるのです。

10Hz、10Hz・・・。と言われる事に、違和感を感じてしまいます・・。
(あっ、、シュウォッチで100を超えられたら、あれは10Hzか・・笑。。車であんな操作、します?)


23:33補足・・。
約2.68Hz、約3.8Hzというのは、対象の周波数なので、その動きを再現しようとすると標本化定理より2倍のサンプリングレートが必要でしたね(恥・・)つまり、サンプリングレートにて必要な周波数は、レーシングカートで、5.36Hz、チップ限界で7.6Hzでしたか。
(^^;;;
うーん。。これだと少し悔しいので(爆)、矩形波とSIN波の実効値を考慮にいれても良い?(笑)、すると、71%に落ちるので、サンプリングレートでカートは、4.4Hz、チップ限界は6.2Hzということで。。
お見苦しくて、スミマセン・・。
とはいえ、ユーザの大多数である、ラジアルタイヤやSタイヤユーザさんでは、最大でも1.5G程度ですから、矩形波入力と仮定しても、5Hzで十分なのですよ〜。

何Hzが必要なのか?」への9件のフィードバック

  1. ピンバック: [使い方] 2 フリーソフトは劣る? — LAP+ 開発日誌

  2. 質問者

    加速度ではなく速度で考えると秒速190cm(19cmで10Hzを基準にしています)は分速11400cm=114mでこれは時速6840m=6.84kmですよね。
    軽いジョギングくらいの速度でしょうか。
    サーキットでは100km/h平均で走行します。
    やはり10Hz欲しくなると思いますが。

  3. admin 投稿作成者

    質問者さま
    「加速度を考えない」という事は、その2点間の速度変化がないという事です。
    計測する2つのポイントの位置、初速度がわかっていれば、その中間点の位置、時間は任意に計算できます。(中学校の等速直線運動の式ですね♪)

    よって、加速度を考えないのであれば、それこそ、10Hzは無意味です。
    車速があがればあがるほど、分解能である19cmの影響は少なくなり、精度は上がることになります。

    高サンプリングレートが必要なのは、その2点間。つまり、5Hzであれば0.2秒の間に車両が等速運動をしていると、近似してもいいかどうか? という事です。そして、本文は、通常想定されるGの範囲内であれば、19cmを超えることは考えられないので、5Hz以上は全くの不要だと主張しているということです。

    ・・・と、書いても、10Hzが欲しいと思いこんでいる方には、あまり意味は無いかな??

  4. 質問者

    時速180kmだと秒速50mだから5Hzだと10mごとに計測することになりますよね。
    時速90kmだと5Hzで5mごとに計測。
    これって車1台分の長さ。
    そのぐらいのサンプリングレートなんだと説明してあげれば多分それでみんな納得してもらえると思いますよ。

  5. admin 投稿作成者

    質問者様
    「みんな納得する」ではなく、「誤魔化される」です。
    質問者様の前提である、「加速度を考慮しない」を絶対に忘れないで聞いてください。

    質問者様の例えを引用した方がわかりやすいと思いますので、同じような値をかみ砕きます。
    ・加速度を考慮しないので、時速180kmで等速直線運動をしているとします。
    ・5Hzだと、t0=0, t2=0.2, t4=0.4 ・・・というレートで記録します。
    ・10Hzだと、t0=0, t1=0.1, t2=0.2 ・・・というレートで記録します。

    10Hzで記録する距離(実際には緯度経度ですが、簡単のため距離に置き換え)は、
    L0 = 0, L1 = 5, L2 = 10, L3 = 15 ・・・となります。

    一方、5Hzで記録する距離は、
    L0 = 0, L2 = 10, L4 = 20 ・・・となります。

    質問者様の前提の通り、加速度を考慮しない等速直線運動ですので、
    L(距離) = v(速さ) x t(時間) の式が成り立ちます。(小学校の、は・じ・き ですね)

    よって、5Hzの情報からも、L1 = 50 x 0.1 で、L1 = 5(m) と算数レベルで計算出来ます。

    「は・じ・き」で出したt1= 5 という値と、10Hzで直接読み取った t1 = 5 という値。
    この二つに違いはありますか?

    違いがあるのであれば、質問者様のおっしゃる、加速度を考慮しないという前提と矛盾します。
    違いがないのであれば、10Hzは金を捨てています。

    何Hzが必要かを考慮するのであれば、絶対に加速度(厳密には対象の交差角周波数)こそ重要なのです。それが時速100kmか、200kmかなんて、全く無意味。わかりやすい数字の算数だけで人を誤解させるのは、詐欺的手法です。

    加速度を考慮するという事を、もう少しわかりやすくしてみたいと思います。

    質問者様は、パイロンスラロームを1秒間に、何個抜けることが出来ますか?

    1秒間に右・左と、2本のパイロンを抜けることが出来れば、車両は1Hzの動作をすることが出来ると言えます。
    5Hzでは足りないことを実証するには、パイロンスラロームを1秒間に6本以上クリアしなくてはなりません。
    (サンプリング定理に基づき、5Hz/2 => 2.5Hz、2.5Hzのスラロームは5本。5Hz NGの実証には6本「以上」)

    もしくは、急発進と急停止を1秒間に2.5を超える回数、繰り返さないといけません。
    そんなパニック操作、車はサスやブッシュ、ギアのバックラッシュ、タイヤのたわみに吸収されて反応しません。
    この時、加速度による寄与分を抽出する必要があるので、初速度の考慮が必要。仮に初速度0と仮定するなら、GPS分解能から急発進と急停止(車速0)を繰り返す間に、18cm以上、動かなくてはいけません。1秒間に45cm以上移動し、かつ、2回、完全停止させるということが可能かどうか? という事です。

    本来、5Hzとはそこまでの性能なんですよ。

    ちなみに、LAP+だとスラロームの軌跡もきれいに出てきます。ところが、10Hzに対応した、あるロガーさんでは、急激な車線変更すら、走行軌跡の違いが画面で見分けられないと伺っています。これは、GPS内部もしくはパソコンのソフト上で「値がなめらかにされている」という事になります。

    そして、「値をなめらかにする」という事は、「サンプリングレートを捨てる」という事と同じ事です。

    10Hzを訴求しながら、表示できる情報からは10Hzのメリットが無くなっている。
    そもそものGPSに内蔵されているチップが4Gで限界という時点で、SIN波入力による限界が6.2Hz。
    内蔵されるチップが変わらない限り、10Hz なんて無意味です。ソフトでどうこう出来るのは欺瞞でしかありません。

  6. 質問者

    なるほどね。
    ちなみに私は10Hz欲しいと思っている人の気持ちを想像して代弁しただけで、10Hz欲しいなんてちっとも思っていませんよぉ。
    それと「加速を考慮しない」のではなく「速度で考えると」という例えをしただけです。
    そこから話を始める方が直感的に分かりやすいと思ったから。
    見ている人の大部分はこの手の計算に関しては素人ですからね^_^;

  7. admin 投稿作成者

    質問者様
    また、代弁したくなりましたら、どうぞ。

    出来れば「質問者」といった匿名性のある名前ではなく、ある程度の責任が求められる、広く使用しているハンドル名で是非。

  8. if

    はじめまして。興味深く拝読させて頂きました。

    等加速度直線運動している場合に高速サンプリングが不要というのは全面的に賛同致します。
    VBOX-3 が 100Hz なんていばってますが、
    あれも実際には補間の出力なんで、
    まさに等加速度直線運動でしかカタログの精度は出ませんからね〜〜。

    ただ、回転を考えた場合、
    ステアリング角一定で回転している時でさえ、
    加速度は時々刻々と変化しますよね。(向心力)
    増して現実のコーナリングの時を考えたら、
    ステアリング角も動的に変化するのですから、
    単純な補間はできません。
    カッチリした物理モデルを組み立てて
    微分方程式を解くといった話になります。
    そんなのできないからこその GPS ロギングではありませんか?
    だとするとコーナーリングでのサンプリングは
    速ければ速い程よいという結論になるだろうと考えます。

    なお RTK につきましては、フリーソフトである RTKLIB を使えば、
    ublox LEA-4T 始め、数万円クラスの受信機で RTK を
    (リアルタイムでも後処理でも)実現できますよ。

    1. admin 投稿作成者

      数万円クラスのRTKは興味深いですねっ。情報、有り難う御座います。
      私自身も、以前はubloxのモジュールをテストしていた事がありました。ただ、モータースポーツにおいて不可欠な、「ある条件」において、走行軌跡がゆがんでしまうと言う問題が発生していたため、評価・推奨を打ち切った経緯が御座います。

      そのため、Antaris系はRTK以前の問題という認識を持ってしまっている次第です。(MTKのデキが良すぎるのかもしれませんが・・)

      さて、このブログでは「19cm分解能の通常GPSの仕様限界にて5Hzを超える事は不可能だから、10Hzは無意味」という論理展開を中心に書いておりました。ifさんがおっしゃるRTKが可能になり、さらに細かい分解能が取得可能になるのであれば、5Hzを超える事ができるのではないか? というご指摘だと認識しております。

      ここで、本文内の「標本化定理から考えても、理論上、倍の3Hzがあれば良く」と、記載した項目にもご注目いただければと思います。10Hzが無意味で不要だという論理展開には2つの柱があり。
      1. 通常のGPSでは4G、19cmという仕様限界から10Hzを生かせない。
      2. そもそも、車両は1~1.5Hz程度でしか動けない。
      により、展開しております。

      ifさんのご指摘により、RKTを用いることで上記「1.」は、私は主張できなくなってしまうのですが、「2.」がまだ生きており、依然、5Hzでは不十分だと言うことはできません。
      (つまり、RKTを用いた場合でさえも、5Hzで十分である)

      何故、車両は1~1.5Hz程度でしか動けないのか。(実際には「動かないように設計されている」) ですが、これを動けるようにしてしまうと車両がナーバスに反応しすぎて、人間が反応仕切れずに簡単にスピンしてしまうからとの事です。また、そのような急峻な変化を加える操作が好ましい操作だとも言えません。

      また、ハンドル操作をするときの過渡状態についてですが、車両は「クロソイド曲線」という曲線を描きます。高速道路の取り付け道等、自然なハンドル操作へ誘うために用いられる曲線なのですが、これはSIN波よりも緩やかな曲線だったと思います。ハンドル操作の過渡状態があるから、より高いサンプリングが必要だという話には、少し論理の飛躍があるように感じます。

      つまり、「ステアリング角も動的に変化するのですから、単純な補間はできません。」というご主張に対しては、
      「5Hzとは車両の設計上、動作・反応しうる周波数よりも3倍以上早いサンプリングレートであるため、そもそもの補間処理が不要だと認識している。」
      という事になります。

      もっとも、車両という質量を、ブレーキ・アクセル・ハンドルがどのように制御しているのか? を見ようとするのであれば、ブレーキペダル、アクセルペダル、ステアリングホイルには、1.5Hzよりも3~5倍程度、早いサンプリングが必要になると思いますけどねっ♪ でもそれは、サスペンションなどにより緩慢になった後でしか、車両に現れませんので、車両の動きを計測するGPSに5Hz以上のサンプリングはやはり不要だと認識しております。(ペダル操作を直接測定するセンサー類は、5Hz以上が重要だと思います)

      しかし・・。数万円でRTKが組める時代なのですね~。驚きました。暇を見つけて手持ちのモジュールで試せるか確認してみたいと思います。情報、有り難う御座います!

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